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プリズム眼鏡はどこで作る?購入先からフレネル膜との比較まで

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プリズム眼鏡はどこで作ればいいのか悩んでいませんか。プリズム眼鏡は、視界のずれや複視を補正し、日常生活の見え方を快適にするための特別な眼鏡です。しかし、一般的な眼鏡と異なり、プリズム眼鏡は専門的な検査と正確な処方が必要で、購入場所や作り方を間違えると効果が得られないこともあります。

この記事では、プリズム眼鏡をどこで作れば良いのか、費用や注意点、フレネル膜プリズムとの違いまで、わかりやすく解説します。プリズム眼鏡はどこで作る?と検索しているあなたの悩みを、この記事で解決しましょう。

  1. プリズム眼鏡が必要な人や使用目的がわかる
  2. プリズム眼鏡をどこで作るのが適切かが理解できる
  3. プリズム眼鏡とフレネル膜プリズムの違いや使い分けがわかる
  4. 購入前に注意すべきポイントや費用の目安が把握できる

プリズム眼鏡はどこで作る?購入先と注意点

  • プリズム眼鏡とは?
  • プリズム眼鏡が必要な人
  • プリズム眼鏡の主な購入先:眼鏡店
  • 眼科併設の眼鏡店での購入
  • プリズム眼鏡はどこで作ればいい?
  • 眼科での処方
  • プリズム眼鏡の価格帯
  • プリズム眼鏡は保険適用外?
  • プリズム眼鏡を作る際のポイント
  • プリズム眼鏡で斜視は治るのか
  • 見た目の変化と対策

プリズム眼鏡とは?

プリズム眼鏡は、視界のずれや複視(物が二つに見える状態)を補正し、目の疲れを軽減するために使われる眼鏡です。プリズムレンズは光を屈折させることで、斜視や斜位によって生じる像のずれを一つにまとめ、快適な視界を提供します。斜位のある人にとっては、通常の眼鏡よりも視線が合いやすくなる場合もあります。また、斜視が原因で頭を傾ける癖がある人の場合、プリズム眼鏡を使うことで、頭や体を真っ直ぐに保ちながら自然な視線で物を見る助けとなることもあります。

ただし、プリズム眼鏡について理解しておくべき重要な点があります。それは、プリズム眼鏡自体には斜視を治す効果がないということです。プリズム眼鏡は、レンズの屈折作用によって視界のずれを一時的に補正するものであり、眼鏡をかけている間だけ見え方が改善されるものです。そのため、眼鏡を外せば再びずれた視界に戻ります。また、長期間の使用によって斜視が悪化するリスクがあるとも言われています。プリズム眼鏡は、あくまで症状の緩和を目的としたものであり、根本的な治療ではありません。斜視を治したいと考える場合は、手術や視能訓練など、別の方法について眼科医に相談することが必要です。

プリズム眼鏡を作る際の注意点

プリズム眼鏡を作るときには、正確な度数と適切な方向でプリズムが処方されていることが重要です。度数や基底方向(プリズムの向き)が合っていない眼鏡を使うと、視界が改善されないだけでなく、かえって目の疲れや頭痛などの不調を引き起こすことがあります。そのため、プリズム眼鏡を作る際には、専門的な知識を持つ眼科医の診察と処方を受けたうえで、信頼できる眼鏡店で作成することが大切です。

プリズム眼鏡は一般的な眼鏡とは異なり、高度な調整が必要なため、誰でも簡単に作れるものではありません。適切な検査と処方、精密な加工が求められるため、購入先を慎重に選ぶことが大切です。

プリズム眼鏡が必要な人

プリズム眼鏡は、主に斜視や斜位によって複視(物が二重に見える状態)が起こる人に必要とされる眼鏡です。プリズムレンズは光を屈折させることで左右の目の見え方を調整し、ずれて見える像を一つにまとめる働きをします。これにより、複視の症状を和らげ、日常生活での見え方を改善することができます。

複視がない場合にも使われることがある

複視が自覚されていない場合でも、目のずれが原因で眼精疲労や視界の違和感が生じていることがあります。そうした場合にも、プリズム眼鏡が効果を発揮することがあります。無意識のうちに視線のズレを補正しようとすることで生じる目の疲れを、プリズム眼鏡が和らげる役割を果たします。たとえば、斜位がある人が通常の眼鏡よりもプリズム眼鏡をかけた方が視点を合わせやすく感じることがあります。また、斜視による視界のズレを補正するために頭を傾ける癖がある人は、プリズム眼鏡を使うことで、頭や体をまっすぐに保ったまま楽に物を見ることができるようになる場合もあります。

両眼視機能に問題がある場合

両眼で物を見る働き(両眼視機能)に異常がある場合にも、プリズム眼鏡が必要となることがあります。たとえば、焦点が合わせづらい、奥行き感覚がつかみにくいといった症状が、目のずれに起因していることがあります。このようなケースでは、プリズム眼鏡をかけることで両眼の見え方が安定し、視覚的な負担が軽減されることが期待されます。また、本を読むときに文字が上下にずれて読みにくく感じる場合も、左右の目の位置のズレが原因であれば、プリズム眼鏡によって改善できることがあります。

斜視があってもプリズム眼鏡が必要ない場合

ただし、斜視がある人すべてにプリズム眼鏡が必要というわけではありません。複視がない場合には、プリズム眼鏡の適応とならないことが多くあります。プリズム眼鏡は、物が二重に見えて困っている人や、視線のずれによる不調がある人のためのものであり、見た目として目を真っ直ぐにする目的で使うものではありません。そのため、プリズム眼鏡が本当に必要かどうかは、眼科医による適切な診断を受けたうえで判断することが重要です。

プリズム眼鏡の主な購入先:眼鏡店

プリズム眼鏡は、主に眼鏡店で作ることができます。一般的には眼科医の処方箋をもとに、眼鏡店がプリズムレンズを加工し、使用者に合わせた眼鏡を仕立てる形が基本です。ただし、プリズム眼鏡は特殊な調整が必要なため、すべての眼鏡店で対応しているわけではありません。

プリズム検査から作成まで対応する眼鏡店

一部の眼鏡店では、斜視や斜位の検査を店内で行い、そのままプリズム眼鏡を作成できる場合があります。このような店舗には、プリズムレンズの扱いに慣れた技術者が在籍していることが多く、両眼視機能を詳しく検査するための設備も備わっていることが一般的です。眼鏡市場メガネスーパー和真などの中価格帯以上の眼鏡店では、自社で斜視の検査を行い、そのままプリズム眼鏡を作成することが可能とされています。眼科の処方箋がない場合でも、店舗独自の検査によってプリズム眼鏡の提案が可能な場合もありますが、正確さを重視するなら一度眼科を受診して処方箋をもらう方が安心です。

眼鏡市場はプリズムでもレンズ代は無料です。

斜視検査を行わない眼鏡店

一方で、低価格帯を中心とした眼鏡店では、斜視や両眼視機能の検査を行っていないところも多くあります。そうした店舗では、眼科医からの処方箋がないとプリズム眼鏡の作成ができない場合があります。また、プリズムレンズの度数が高い場合や特殊なデザインのフレームを希望する場合には、加工自体が難しいこともあります。そのため、事前にその店舗でプリズム眼鏡が作れるかどうかを確認することが大切です。 例えば、JINS、Zoff、オンデーズといった低価格帯の眼鏡店では、基本的に斜視の検査は行っていません。これらの店舗でプリズム眼鏡を作る場合は、あらかじめ眼科医から処方箋をもらっておく必要があります。

購入前に確認すべきポイント

プリズム眼鏡の作成に対応しているかどうかは、店舗ごとに異なります。対応できるプリズムの度数や加工の可否もさまざまなので、事前に問い合わせをして確認しておくと安心です。また、専門的な知識と技術を持つスタッフがいる眼鏡店を選ぶことも重要です。たとえば、認定眼鏡士(眼鏡作成技能士)などの資格を持ったスタッフが在籍している店舗であれば、プリズム眼鏡に関する詳しい説明や適切な調整が期待できます。

プリズム眼鏡を作る際には、自分の視力の状態や処方箋の有無に応じて、信頼できる眼鏡店を選ぶことが、快適に使える眼鏡を手に入れるための大切なステップです。

眼科併設の眼鏡店での購入

プリズム眼鏡を作成する際、眼科併設の眼鏡店を利用するのも一つの選択肢です。こうした店舗では、眼科の専門的な検査を受けた後に、そのまま店内で適切なプリズム眼鏡を作成できるため、スムーズに購入できるというメリットがあります。

眼科併設の眼鏡店では、視能訓練士や眼科医の指導のもとで処方が行われることが多く、通常の眼鏡店よりも専門的な対応が期待できます。特に、プリズムレンズの度数や基底方向の調整が細かく必要な場合には、こうした店舗を利用することで、より正確なプリズム眼鏡を作ることができます。

眼科併設の眼鏡店の探し方

また、こうした眼鏡店はインターネット検索で探すことも可能です。例えば、「眼科併設の眼鏡屋 プリズム」 などのキーワードで検索すると、眼科に併設されたプリズム眼鏡対応の店舗が見つかる場合があります。事前に調べておくことで、検査と眼鏡作成をスムーズに進めることができるでしょう。

眼科併設の眼鏡店を利用する場合、検査から処方、購入までを一貫して行えるため、プリズム眼鏡を作成する際の不安を軽減できるのも大きな利点です。ただし、すべての眼科併設の店舗でプリズム眼鏡に対応しているわけではないため、事前に取り扱いの有無を確認しておくことが重要です。

プリズム眼鏡はどこで作ればいい?

プリズム眼鏡を作る際、チェーンの眼鏡店と地域の専門店(眼科併設の店舗を含む)のどちらを選ぶべきか迷うことも多いでしょう。それぞれに異なるメリット・デメリットがあるため、自分に合った店舗を選ぶことが重要です。

チェーン店・大手眼鏡店のメリットとデメリット

メリット
  • 価格が比較的安い:大量生産によるコスト削減により、フレームやレンズの価格が抑えられる傾向にある
  • フレームの種類が豊富:流行のデザインやブランドフレームなど、多くの選択肢がある
  • 全国に店舗があり、アクセスしやすい:引っ越しや旅行時でも、別の店舗で対応してもらえる場合がある
  • キャンペーンや割引が豊富:定期的にセールやクーポンを利用できる
デメリット
  • プリズム眼鏡の専門知識を持つスタッフが少ないことがある
  • 店舗によって対応の質にばらつきがある
  • 担当者が変わりやすく、一貫した対応が難しい

地域の眼鏡店・眼科併設の眼鏡店のメリットとデメリット

メリット
  • 担当者が変わりにくい:長期的に同じスタッフが対応するため、継続的な調整や相談がしやすい
  • 専門知識が豊富な場合が多い:特にプリズム眼鏡を多く扱う店舗では、細かな調整が可能
  • 定期的な診断を受ける際に便利:眼科と連携しながら、視力や眼位の変化を定期的に確認できる
  • 個別対応が可能:眼の状態に合わせた細かな調整や、特注レンズの対応をしてもらえることが多い
デメリット
  • 価格が高くなりやすい:個別対応や専門的な知識が必要なため、コストがかかる場合がある
  • フレームの種類が少ないことがある:大手チェーン店と比べると、デザインのバリエーションが限られることも
  • 全国展開していないため、引っ越しなどで継続的なサポートを受けにくい

このように、コストやフレームの選択肢を重視するならチェーン店、専門的なサポートや継続した診断を重視するなら地域の眼鏡店や眼科併設の店舗が適していると言えます。
どちらが自分にとって適しているかを考えながら、購入先を選ぶことが大切です。

眼科での処方

プリズム眼鏡を作るうえで、眼科は非常に重要な役割を果たします。プリズム眼鏡は特殊なレンズを使うため、正確な度数や方向を決めるには、まず専門的な検査と診断が必要です。そのため、眼科での処方がプリズム眼鏡作成の第一歩となります。

正確な処方を得るためには眼科が必要

プリズム眼鏡を正確に作るためには、斜視や斜位、複視といった症状の原因や程度を把握する必要があります。眼科では、視線のずれや両眼の動きを詳しく調べ、プリズム眼鏡が本当に必要かどうかを判断してくれます。そして必要な場合には、度数や基底方向などを詳しく指定した処方箋を出してくれるため、その後の眼鏡作成がスムーズかつ正確になります。

視能訓練士による専門的な検査

プリズム眼鏡の処方を考えるときには、視能訓練士が在籍している眼科を選ぶのがおすすめです。視能訓練士は、斜視や両眼視機能についての専門的な知識と検査技術を持っています。そのため、一般的な眼科検査だけでは分かりにくい目のずれや、負担の少ないプリズム度数の見極めなど、より細かい対応が可能です。視能訓練士による検査を受けることで、自分に合った最適なプリズム眼鏡の処方が期待できます。

大学病院など専門的な医療機関も選択肢

より複雑な症例や詳しい診断が必要な場合は、大学病院などの専門的な医療機関の眼科を受診するのも一つの方法です。大学病院の眼科には、難しい斜視や両眼視機能異常に対応している専門医や視能訓練士が在籍しているため、一般の眼科では対応が難しい場合にも、安心して相談することができます。

プリズム眼鏡の価格帯

プリズム眼鏡は、一般的な眼鏡と比べて高額になることが多いとされています。その理由の一つは、通常のレンズ価格に加えて、プリズムレンズ特有の追加料金(オプション料金)がかかるためです。このオプション料金は、目安としておよそ3,000円から4,000円程度とされていますが、店舗によって異なる場合もあります。

総額の目安

プリズム眼鏡の総額は、どの眼鏡店を利用するかによって大きく変わります。比較的安価な場合は1万円前後で作成できることもありますが、一般的には2万円から3万円程度が目安となります。一方で、取り扱いや加工が難しい場合や、高度なプリズム度数を必要とする場合には、価格がさらに高くなり、店舗によっては10万円を超えることもあるようです。

また、度なしレンズでもプリズムが入ることで高額になることがあり、実際にプリズムレンズのみで約7万円かかったという例もあります。このように、度数の有無に関わらず、プリズムが入ることで価格が大きく変動することがあるため注意が必要です。

購入時の注意点

プリズム眼鏡の価格は、レンズの度数やプリズム量、フレームの選択によっても変動するため、実際に購入する際には事前に見積もりを取ることが大切です。また、店舗ごとに取り扱えるプリズム度数や加工技術が異なるため、価格だけでなく、対応実績や技術力も踏まえて選ぶことが重要です。

このように、プリズム眼鏡は通常の眼鏡より高価になる傾向があり、費用についても事前によく確認したうえで作成を進めることが安心です。

プリズム眼鏡は保険適用外?

プリズム眼鏡は、基本的には健康保険の適用対象外とされています。眼鏡は、たとえ視力の補正や目の機能を助けるものであっても、通常は医療行為とはみなされないためです。近視や乱視、遠視など、視力を補正するために必要な眼鏡と同様に、プリズム眼鏡も原則として治療を目的とした医療用具とは扱われないため、保険の対象にはなりません。視力を矯正することはできても、病気の直接的な治療には当たらないとされているためです。

例外的に保険が適用されるケース

ただし、すべてのプリズム眼鏡が保険適用外というわけではなく、例外もあります。たとえば、小児の弱視や斜視、または先天性白内障の手術後に必要な屈折矯正など、医師が治療の一環として必要と認めた場合には、保険の給付対象となることがあります。このように、治療のために必要とされるプリズム眼鏡については、公的な支援が受けられる場合があります。特に小児の視機能発達を支援する目的で処方される場合には、保険の対象となることがあるため、眼科医に相談することが大切です。

医療費控除の対象になる場合

また、健康保険の直接的な適用は受けられない場合でも、場合によっては医療費控除の対象となることがあります。たとえば、白内障手術後の視力回復や、治療として必要とされる特殊な眼鏡がこれにあたることがあります。医療費控除の対象となるかどうかは、処方の内容や目的によって異なるため、眼科医や税務署に確認しておくと安心です。

保険適用の判断について

このように、プリズム眼鏡が保険適用となるかどうかは、その使用目的や状況によって変わります。ただし、一般的に大人の斜視や斜位による複視の補正、眼精疲労の軽減といった目的で使用する場合には、保険適用外となることがほとんどです。したがって、プリズム眼鏡を作成する際には、自分の場合に保険適用や医療費控除が可能かどうかを、あらかじめ眼科医に確認しておくことが重要です。

プリズム眼鏡を作る際のポイント

プリズム眼鏡を作成するには、いくつかの大切なポイントを押さえておく必要があります。まず何より重要なのは、必ず眼科医の処方箋をもらってから眼鏡店に依頼することです。特に、斜視や両眼視機能に詳しい眼科医や、視能訓練士が在籍する医療機関での検査と処方が推奨されます。眼科医は専門的な検査を通じて、一人ひとりの目の状態に合った適切なプリズム度数や方向(基底方向)を決定することができます。そのため、まず医療機関でのしっかりとした診断と処方を受けることが、適切なプリズム眼鏡作成の第一歩となります。

眼鏡店選びの重要性

次に、どの眼鏡店で作成を依頼するかも非常に重要です。眼鏡店によっては、プリズムレンズの取り扱いや検査技術に大きな違いがあります。そのため、プリズム眼鏡の作成に慣れている店舗を選ぶことが大切です。一般的に、プリズム眼鏡の経験が豊富な店舗では、知識や技術を持つスタッフが対応してくれるため、より安心して任せることができます。一方で、低価格を売りにしている眼鏡店では、プリズム度数が高かったり特殊な条件の場合に対応が難しいこともあり、注意が必要です。特に、度数やプリズム量、フレームの形状によって加工が制限されることもあるため、作成前に相談・確認しておくことが重要です。

また、両眼視機能検査を実施している眼鏡店では、プリズムの調整に必要な詳細な検査やアドバイスが期待できるため、より専門的な対応が受けられる場合もあります。

資格を持つ専門家のいる店舗を選ぶ

プリズム眼鏡を安心して作成するためには、資格を持つ専門家がいる店舗を選ぶこともポイントです。たとえば、眼鏡作成技能士や認定眼鏡士といった資格を持つスタッフが在籍している眼鏡店であれば、プリズム眼鏡に関する専門的な知識と技術をもとに、適切なレンズ加工や調整をしてもらえる可能性が高まります。こうした資格者が対応することで、より自分の目に合った快適なプリズム眼鏡を作ることができます。

作成前の確認も忘れずに

最後に、プリズム眼鏡の作成に対応できるかどうか、事前に店舗へ問い合わせることも忘れないようにしましょう。プリズムの度数や種類によっては対応が難しい場合もあるため、あらかじめ確認しておくことで、スムーズに作成を進めることができます。

このように、プリズム眼鏡の作成は、眼科医での適切な処方と、信頼できる眼鏡店選びが重要です。専門的な知識と技術を持つスタッフのサポートを受けながら、自分の目に合ったプリズム眼鏡を作ることが、快適な見え方につながります。

プリズム眼鏡で斜視は治るのか

プリズム眼鏡を検討している方の中には、「かけていれば斜視が治るのではないか」と期待される方もいるかもしれません。しかし結論から言うと、プリズム眼鏡には斜視そのものを治す効果はありません。

プリズム眼鏡の目的

プリズム眼鏡の役割は、視界の違和感や目の疲れを軽減することにあります。斜視が原因で物が二重に見える状態(複視)を、プリズムレンズが光を屈折させることで一つの像にまとめ、見え方を安定させるのが主な目的です。つまり、プリズム眼鏡は目の位置を治すためのものではなく、斜視による視界のずれを一時的に補正するための道具です。

斜視が治らない理由

プリズム眼鏡をかけることで視界のズレが補正されると、見え方は楽になりますが、斜視そのものが改善するわけではありません。むしろ、プリズム眼鏡を長期間使い続けることで、目が自力で正しい位置に戻る力が弱まる場合もあります。本来、目の位置を調整するために働いている筋肉が、プリズム眼鏡によって補助されることで使われなくなり、斜視が固定化してしまうリスクも指摘されています。

特に「間欠性外斜視」と呼ばれる、一時的に目が外れるタイプの斜視では注意が必要です。この場合、本来なら筋肉のトレーニングや訓練によって改善が期待できることもありますが、プリズム眼鏡を常用することで筋肉を使わなくなり、かえって斜視が進行することも考えられます。

プリズム眼鏡はあくまで補助的な道具

このように、プリズム眼鏡は斜視による見えづらさや目の疲れを軽減するための補助的な手段であり、斜視を治す治療法ではありません。斜視の根本的な治療を希望する場合は、手術や視能訓練といった専門的な治療が必要になります。もしプリズム眼鏡の使用について不安がある場合や、斜視そのものの改善を望む場合は、必ず眼科医に相談し、自分の症状にとって最も適切な方法を検討することが大切です。

見た目の変化と対策

プリズム眼鏡を装用すると、プリズムの度数によってはレンズが厚くなることがあります。特にプリズム眼鏡は、基底方向に向かってレンズの厚みが増す傾向があり、強いプリズム度数の場合にはこの厚みが目立つこともあります。また、プリズム効果による「像のジャンプ」が起こることで、他人から見ると目の位置が実際とずれて見えることがあります。さらに、プリズム度数が高くなるとレンズに縞模様が現れることがあり、見た目に悩む原因となる場合もあります。

見た目の改善の工夫

プリズム眼鏡の見た目を自然にするための方法の一つは、小さい眼鏡フレームを選ぶことです。フレームが小さいと、プリズムレンズの中心に近い部分を使用するため、レンズ全体が薄く、軽く仕上がりやすくなります。また、小さなフレームは顔の輪郭への映り込みも抑えられるため、外見もすっきりと整った印象になります。

もう一つの方法は、薄型仕上げレンズを使うことです。眼鏡フレームの形状データをレンズメーカーに送って、そのフレームに合わせた厚みのレンズを特注することができ、レンズの厚みを最小限に抑えることが可能です。ただし、屈折率の高いレンズは色のにじみ(色収差)が強くなる場合があるため、プリズム度数やレンズ素材の選び方には注意が必要です。

レンズをフレーム前側に出さずに組み込むことも、見た目を自然に保つための大切な工夫です。プリズムレンズの厚みを考慮しつつ、フレームの内側にしっかり収めることで、正面から見た際にレンズが目立たなくなり、装用時の違和感を軽減できます。

レンズの種類と外見の違い

プリズム眼鏡には、大きく分けて二つのタイプがあります。一つはプリズム効果をレンズそのものに組み込んだタイプ、もう一つはフレネル膜プリズムと呼ばれる貼り付けタイプです。

レンズにプリズム効果を組み込むタイプは、外見上プリズムが入っていることがほとんど分からないため、見た目を気にする人に適しています。ただし、プリズム度数が強い場合は横から見たときに基底方向が厚くなり、厚みが目立つこともあります。

一方、フレネル膜プリズムは非常に薄く、強いプリズム度数にも対応できるというメリットがあります。しかし、細かい線が入っているため、貼り付けていることが外からわかる場合があります。また、フレネル膜は長期間の使用で変色や劣化が起こることがあり、経年変化にも注意が必要です。

外見を重視したい場合は、プリズムをレンズに直接組み込むタイプが選ばれることが多いですが、どうしても強いプリズム度数が必要な場合にはフレネル膜プリズムが適している場合もあります。用途や度数、見た目の希望に応じて、眼科医や眼鏡店と相談しながら適切な方法を選ぶことが重要です。

プリズム眼鏡はどこで作る?フレネル膜プリズムとの比較

  • フレネル膜プリズムとは
  • フレネル膜プリズムのメリットとデメリット
  • フレネル膜プリズムの購入場所
  • プリズム眼鏡とフレネル膜プリズム、どちらを使うべきか
  • プリズム眼鏡とフレネル膜プリズムの価格
  • プリズム眼鏡とフレネル膜プリズムの比較表

フレネル膜プリズムとは

フレネル膜プリズムは、眼鏡レンズに貼り付けて使用する非常に薄いフィルム状のプリズムです。この膜は、たくさんの小さなプリズムの集まりで構成されており、光を屈折させることで視界を調整する役割を果たします。

フレネル膜プリズムの役割

斜視や斜位など、両眼視機能に異常があると、左右の目で見た像がうまく重ならず、物が二重に見える複視や目の疲れ(眼精疲労)が生じることがあります。フレネル膜プリズムは、この左右の目に映る像を光の屈折によって正しい位置に移動させ、脳が一つの像として認識できるように補助します。プリズムの度数と基底方向(プリズムの向き)は、目のずれの方向と量に応じて処方され、それにより両眼の像の位置が調整されます。その結果、複視が軽減され、目の疲れも和らぐ効果が期待できます。また、斜位の矯正によって、立体視を促進する効果もあります。

フレネル膜プリズムのメリットと特徴

眼鏡レンズそのものにプリズム効果を組み込む方法もありますが、作成可能なプリズム度数には限界があります。度数が強くなるとレンズが厚くなり、重くなるなどのデメリットが生じます。フレネル膜プリズムを使えば、眼鏡レンズだけでは対応できないほど高いプリズム度数でも処方が可能になり、なおかつレンズ自体を厚くすることなく薄く軽い仕上がりにすることができます。そのため、高度なプリズム度数が必要なケースでも使いやすい方法といえます。

ただし、フレネル膜プリズムには縦線が入っており、近くで見ると線が見えるため、正面からの見た目がやや目立つことがあります。また、膜の素材の特性上、長期間の使用によって劣化や変色が生じることもあり、定期的な交換や管理が必要となる場合もあります。

使用される具体的な場面

フレネル膜プリズムは、複視の補正以外にもさまざまな場面で活用されています。たとえば、後天性の眼位異常による複視の軽減、斜視手術前のプリズム・アダプテーションテスト、外斜位による眼精疲労の軽減、また斜視手術の前後で視機能の調整を行う際にも使用されることがあります。このように、フレネル膜プリズムは一時的な補助から治療過程の一部として、幅広い用途で利用されています。

フレネル膜プリズムのメリットとデメリット

メリット

  • 複視の解消や眼精疲労の改善に役立つ。斜視や斜位による両眼視機能の異常で物が二重に見える場合や目の疲れに対して、左右の目に入る像を融合させて症状を軽減する。
  • 通常の眼鏡レンズでは対応できない高いプリズム度数でも対応可能。大きなずれに対しても矯正できる。
  • 薄く軽い仕上がりになる。強度プリズムでも眼鏡レンズのように厚くならず、負担が少ない。
  • 斜位を矯正することで立体視を促す効果が期待できる。
  • 接着剤を使用しないため、不要になった場合や度数変更時に簡単にはがせる。
  • 斜視手術を検討している場合、手術前にプリズムの効果を試すために使用できる。
  • プリズム度数を段階的に変える必要がある小児などの場合、貼り換えによって容易に調整できる。
  • 強度プリズムでも眼鏡レンズよりも薄く仕上がるため、目立ちにくく軽い。
  • プリズムの度数を変更したいときに、新たに眼鏡レンズを作り直さなくてもよい。

デメリット

  • 正面からの見た目がやや目立つ。レンズに縦線が入るため「何か貼ってある」と気づかれることがある。
  • ホコリや気泡が膜とレンズの間に入り込むことがあり、見た目が汚く感じられる場合がある。
  • 視界が悪くなることがある。縞模様によって透明度が下がり、見えにくく感じることもある。
  • 斜視を悪化させるリスクがあり、必ずしも安全に勧められるものではない。
  • 剥がれやすい。シール状であるため、使用中にずれることがある。
  • 超音波洗浄機に弱く、洗浄時に剥がれてしまうことがある。
  • 素人が自分で貼ると、角度がずれて視界に悪影響を及ぼす場合がある。
  • 取り扱っている眼鏡店が少なく、購入・作成できる場所が限られている。
  • フレネル膜プリズムを貼ることで、近視・遠視・乱視の度数に影響を与え、見え方が変わる可能性がある。
  • 光の透過率が低く、レンズ越しの視界が暗くなることがある。

フレネル膜プリズムの購入場所

フレネル膜プリズムは、主に眼鏡店で購入することができますが、購入までの流れにはいくつか注意点があります。

購入前に必要なこと

フレネル膜プリズムを購入する前に、まず眼科医の診察を受けることが大切です。特に斜視や斜位の矯正を目的とする場合には、眼科での詳しい検査と診断が必要です。眼科医によって処方箋が出されることで、自分の目の状態に適したプリズムの度数や方向(基底)が正確に決まります。眼科によっては、信頼できる眼鏡店を紹介してくれる場合もありますので、相談の際に購入先も確認すると安心です。

眼鏡店での取り扱いについて

フレネル膜プリズムは一部の眼鏡店で直接取り扱われていますが、専門的な知識や技術が必要な製品のため、すべての眼鏡店で対応しているわけではありません。そのため、事前に「プリズム眼鏡の測定や作成ができますか?」と問い合わせてから訪れることをおすすめします。また、通常のプリズム眼鏡とは異なり、フレネル膜プリズムは既存の眼鏡レンズに後から貼り付けて使用することが一般的です。このため、レンズやフレームに合わせた調整も必要になる場合があります。

オンライン購入について

フレネル膜プリズムについては、オンラインでの購入情報はほとんど見られません。度数や方向が個別に処方される特殊な製品であり、装用者に合わせた調整が求められることから、オンライン購入よりも実店舗での対応が基本とされています。特に眼科での処方をもとに眼鏡店で調整してもらう方法が安心です。

保険適用について

フレネル膜プリズムは、小児の弱視や斜視、先天白内障の術後など特別なケースでも、基本的に健康保険の適用対象にはなりません。通常の眼鏡と同様に、保険では補助されないため、購入時には費用負担が発生することも理解しておく必要があります。

フレネル膜プリズムを購入する際は、まず眼科医に相談して処方箋が必要か確認し、その上で取り扱いのある眼鏡店を探すのが一般的な流れです。度数や調整が重要なプリズムであるため、眼科と眼鏡店の連携のもとで適切に作成することが大切です。

プリズム眼鏡とフレネル膜プリズム、どちらを使うべきか

プリズム眼鏡(組み込みプリズム)とフレネル膜プリズムは、それぞれ異なる特徴を持っており、使う人の目的や状況によって適した方法が異なります。どちらが自分に合っているかは、眼科医や眼鏡店と相談して決めることが大切です。

プリズム眼鏡(組み込みプリズム)が向いている人

プリズム眼鏡は、レンズそのものにプリズム効果を組み込んで作られるため、一般的な眼鏡と変わらない見た目で使えるのが特徴です。比較的低いプリズム度数で矯正が必要な場合に適しています。目安としては、片眼あたり5〜7△程度までのプリズム度数であれば、通常の眼鏡レンズに組み込むことが可能とされています。

また、見た目を重視したい人にとっても良い選択です。フレネル膜プリズムと異なり、レンズに縦線が入ることがないため、外見上プリズムが入っていることが分かりません。さらに、クリアな視界を重視する人にも向いており、フレネル膜よりも透明度が高く、自然な見え方が得られます。そのため、初めてプリズム矯正を試したい人や、目立たない方法で始めたい人にも適した方法と言えます。

フレネル膜プリズムが向いている人

一方で、フレネル膜プリズムは、眼鏡レンズに組み込むのが難しいほど高いプリズム度数が必要な人に向いています。場合によっては、片眼あたり最大30〜40△程度の強いプリズム度数にも対応できることがあります。

また、一時的にプリズム効果を試したい人や、斜視手術の前に効果を確認したい人にも適しています。フレネル膜はレンズに貼り付けて使う薄いフィルム状のプリズムであり、簡単に着脱できるため試用しやすいのが特徴です。さらに、プリズム度数を頻繁に変更する必要がある場合にも便利で、レンズそのものを交換することなく、膜を貼り替えるだけで対応できます。

フレネル膜プリズムは非常に薄く軽いため、高いプリズム度数が必要でも重さの負担が少なく済みます。斜視の手術前後に必要な矯正や、複視や眼精疲労が斜視・斜位によって引き起こされている場合にも有効です。また、プリズム矯正の初期段階で、まず試してみたいと考えている人にとっても経済的な方法とされています。ただし、フレネル膜プリズムも通常の眼鏡と同様に健康保険の適用外となるため、費用面の確認が必要です。

それぞれの注意点

フレネル膜プリズムには、レンズ表面に縦線が入るため、外見上プリズムを貼っていることが分かりやすいというデメリットがあります。また、透明度がやや低く、視界がわずかに悪くなると感じる人もいます。このため、外見や視界のクリアさを重視する場合には組み込みプリズムが向いていることもあります。

プリズム眼鏡とフレネル膜プリズムの価格

プリズム眼鏡(組み込みプリズム)の相場

プリズム眼鏡は、通常の眼鏡レンズにプリズム効果を組み込むため、通常の眼鏡より高額になる傾向があります。

一般的な価格帯(目安)
  • 安価な場合:1万円〜2万円程度(フレームがシンプルでプリズム度数が低い場合)
  • 標準的な価格:2万円〜3万円程度(中等度のプリズム、標準的なフレーム)
  • 高額な場合:5万円〜10万円以上(高いプリズム度数、特殊な加工、ブランドフレーム)

特に片眼あたり5〜7△(プリズムディオプター)程度までの軽度〜中等度のプリズムであれば、通常のプリズム眼鏡として加工可能です。度数が高くなると、レンズの厚みや特殊加工が必要になり価格が上がります。

フレネル膜プリズムの相場

フレネル膜プリズムは貼り付け型のプリズムで、比較的安価にプリズム効果を試せる方法です。ただし、専門的な眼鏡店でしか扱っていない場合が多く、流通量は限られます。

一般的な価格帯(目安)
  • 1枚あたり:数千円〜1万円前後(一般的には5,000円〜8,000円程度が多い)

ただし、度数や仕様によって価格は変動します。また、貼り付けや度数調整の手数料が別途かかることもあります。

注意点

  • 単体では売っていないこともあり、眼科医の処方や眼鏡店での測定が必要なケースがほとんどです。
  • 取り付け調整料、検査料などが別にかかる場合もあります。
  • 眼科・眼鏡店と連携して処方されることが多いため、完全にオンラインでの購入が難しい製品です。

プリズム眼鏡とフレネル膜プリズムの比較表

項目 プリズム眼鏡 (組み込みプリズム) フレネル膜プリズム
特徴 レンズ自体にプリズム効果を持たせる。 薄いフィルムを眼鏡レンズに貼り付けてプリズム効果を得る。
外観 通常の眼鏡と変わらない。縦線は見られない。 レンズに縦線(縞模様)が入るため、目立つことがある。横や斜めの縞模様の場合もある。汚く感じる場合がある (ホコリ、気泡)。
プリズム度数 片眼5~7△程度が上限。強いプリズム度数は難しい。 眼鏡レンズで処方できないほどの高いプリズム度数にも対応可能。片眼最大30~40△程度まで対応できる場合がある。
見え方 比較的クリア。 透明度がやや劣り、視界が悪くなる場合がある。光の透過率が低い可能性がある。
取り扱い 一般的な眼鏡店で取り扱っている場合がある。 一部の眼鏡店(特に斜視や斜位に詳しい店)で取り扱っている。眼科医に紹介された店舗。
着脱 レンズ交換が必要。 接着剤不使用で簡単にはがせる。再度つける場合は専門店に依頼。
再利用 基本的に不可。 古い眼鏡から剥がして新しい眼鏡に貼り付けるのは難しい。
クリーニング 通常の眼鏡と同様。 超音波洗浄機は苦手。
一般的な価格帯 2万〜3万円(高額で10万円超もあり) 1枚あたり:数千円〜1万円前後
その他のメリット 外見が気にならない。 薄く軽い仕上がり。プリズム度数をレンズ交換なしで変更可能。手術前に効果を試せる。
その他のデメリット 強度プリズムには限界がある。 見た目が気になる。視界がやや悪くなる。剥がれやすい。正確な貼り付けに技術が必要。

プリズム眼鏡はどこで作る?購入先と選択ポイント:まとめ

記事のポイントをまとめます。

  • プリズム眼鏡は視界のずれや複視を補正する眼鏡である
  • 斜視や斜位が原因の目の不調に有効な場合がある
  • 眼科での専門的な検査と処方が必要である
  • 処方箋をもとに眼鏡店で作成する流れが基本である
  • プリズム眼鏡の作成には高度な技術が必要である
  • 取り扱いのある眼鏡店とない店があるため事前確認が必須である
  • プリズム眼鏡は通常の眼鏡より高額になりやすい
  • プリズム度数が高い場合はフレネル膜プリズムも選択肢となる
  • フレネル膜プリズムは貼り付けタイプで高い度数にも対応できる
  • フレネル膜プリズムは見た目や視界にデメリットがある
  • プリズム眼鏡とフレネル膜プリズムは目的によって使い分けるべきである
  • プリズム眼鏡は保険適用外が原則だが例外もある
  • 医療費控除対象となる場合もあるため確認が必要である
  • 資格を持つ専門家がいる眼鏡店で作ることが望ましい
  • 作成前に店舗や眼科医とよく相談することが重要である

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